子供の病気

気管支喘息

2014年06月08日 | 小児科 すなおしこどもクリニック

気管支喘息はどんな病気でしょう

元気にしていたのに突然激しくせき込んだり、息をするときヒューヒュー、ゼーゼーが聞こえたり、呼吸が苦しくなる喘息発作を繰り返す病気です。

本当は喘息なのにゼーゼーに気がつかない、自分の知っている喘息のイメージに当てはまらない、日中は症状がないなどの理由で、「熱のないかぜ」と思ってしまう保護者の方も少なくありません。

気管支喘息は慢性の病気です。一見何の症状もないときでも気管支の粘膜が炎症(むくみ、はがれ)を起こしていて刺激を受けやすくなっているのです。発作の引き金になる刺激の種類は、ダニ、ハウスダストが良く知られていますが、タバコの煙、PM2.5、動物のフケ、ウイルスの感染、気温、気圧、体の調節をする神経(自律神経)の働きがきっかけになることもあります。

発作は気管支を取り囲む筋肉の収縮、気管支内側の粘膜の腫れ、粘膜からの分泌物(痰)の増加によって気管支が細くなる状態です。笛の原理でヒューヒューと音がして呼吸がしづらくなります。

発作を反復しながら炎症が長期化すると、気管支が硬くなり、呼吸機能が悪い状態が固定化して大人まで持ち越してしまいます。

 

 

気管支喘息の治療について

喘息の治療は以下の2つの治療に分けられます。

①起こってしまった発作の治療(発作治療薬)

気管支を取り囲む筋肉の収縮を緩める薬(気管支拡張剤)です。発作で小児科やメディカルセンターを受診したときのベネトリン吸入液や、主に大人が発作で苦しいときに吸入する薬は発作治療薬の代表で、一時的にはかなりの効果がありますが、この薬で症状を抑えても病気の本態を治すことはできません。メプチン、ホクナリンも同じ系統の薬です。

②喘息発作を起こりにくくするための長期管理(長期管理薬)

気管支の慢性炎症を抑える薬で、ロイコトリエン受容体拮抗薬と吸入ステロイドの2種類があります。

ロイコトリエン受容体拮抗薬にはオノン(プランルカスト)、シングレアがあり、副作用も少なく、1日1回か2回飲むだけで済みます。しかも軽症であれば吸入ステロイドと同じくらい効果があります。

吸入ステロイドにはフルタイド、キュバール、パルミコートなどがあります。吸入薬というと即効性があると思われがちですが、発作をその場で改善する効果はありません。いろいろな種類がありますが、小児では吸入する技術が問題になります。フルタイド、キュバールなどは年齢に応じて補助器具を使って吸入します。上手に吸入できない場合や乳幼児では、パルミコート吸入液を電動吸入器を利用して吸入します。

継続治療が必要な患者さんは、長期管理薬を継続し、状態に応じて発作治療薬を併用しながら発作の起こらない無症状状態を維持し、発作治療薬を止めていきます。合併しやすいアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、副鼻腔炎の治療薬を組み合わせることもあります。

薬物治療以外には原因にもよりますが、ダニ、ハウスダスト対策などの環境整備、水泳などで体を鍛える方法もありますが、薬物治療なしでの管理は困難です。

 

 

発作時の「その場しのぎ」ではだめですか?

 

現在主に使われている長期管理薬がなかった1980年代には、20歳以下の喘息による死亡者が年間200人程度いました。当時も発作治療薬は今と大差ありませんでしたが、気管支喘息の原因が慢性の気管支粘膜の炎症であることが、まだ認識されていませんでした。当時の患者さんは、発作が出た時だけの治療で済ませること繰り返した結果、気管支が硬くなって呼吸機能が悪くなる「後遺症」を残すことが多かったのです。

長期管理薬の開発で喘息の治療は大きくかわり、大人まで喘息を持ち越す重症例は著しく減りました。

長期管理薬は発作がなくなっても勝手に中止しないで、残っている気管支粘膜の炎症が起こす症状(はしゃいだり、走ったりするとせきこむなどいろいろあります)が完全になくなるまで根気強く継続することが一番大切です。思春期まで持ち越すと、精神的な要因での発作が多くなり、ますます治療が難しくなってしまいます。

こどもの熱

2014年06月08日 | 小児科 すなおしこどもクリニック

発熱とは何度以上の熱なのでしょうか

こどもの体温は変動しやすく、午前と午後では1℃くらい変動します。また暑い日と寒い日でも変動します。そのため同じこどもでもきまった平熱というものはありません。こどもの体温は大人より0.5℃高いので、一般には37.5℃以上の時を明らかな発熱といいます。37.5℃前後の時は他の症状があるかないかで病気かどうかを判断しましょう。

 発熱はどうして起こるのでしょうか

こどもの場合はウィルスや細菌の感染によるものがほとんどです。発熱は体の中で病原体と戦っている火花なのです。そしてその火花は病原体と戦うときに有利にはたらきますから、熱が高いことそのものは心配ありません。大切なことはどのような病原体が、体のどこに感染しているかということです。脳や肺に感染がなければ、熱が40℃であっても脳がおかしくなったり肺炎になったりすることはありません。41℃を超える特殊な状況を除けば、熱の高さと病気の重症度とはあまり関係はないのです。

 熱が出た時はどうすればよいのでしょうか

(1)水分はできるだけたくさん与えましょう。

熱によって水分が失われるからです。どのようなものでもよいのですが、刺激の強い飲み物は避けて下さい。

(2)薄着にして涼しい環境にしましょう。

熱が上がってほてっている場合は、薄着にして熱を発散しやすくしましょう。着せすぎたり、フトンを多くかけて汗を無理に出させるのは、熱がこもってしまうので決してよいことではありません。ただし手足の冷たい時、特に悪寒戦慄がみられる熱のあがりぎわには手足を温めて下さい。

(3)体温が39℃以上になった場合。

こどもが元気にしていれば無理に解熱させる必要はありません。発熱に伴う不機嫌などの症状がある場合には、解熱剤を使う前に他の対処をしましょう。ビニール袋に氷を23個と少量の水を入れ、太い血管部分(首の周り、脇の下、足のつけ根)を冷やしましょう。アイスノンを使ってもいいでしょう。もし、お子さんが嫌がるようなら無理にやる必要はありません。

(4)こどもの様子をよく観察しましょう。

病気の診断には熱以外の症状がとても大切です。機嫌はどうか、水分はどれくらいとれているか、排尿排便回数は何回か、咳、嘔吐、下痢、腹痛、発疹等の症状を観察しましょう。

 熱剤は何のため?                                                       

解熱剤は熱をさますために使うのではなく、発熱に伴う不快症状に対して使う薬です。解熱剤で熱が下がったからといって病気が治ったわけではありませんし、また病気が早く治るわけでもありません。解熱剤はあくまでも一時的に症状をおさえるだけなのですから、飲まないですめばそれにこしたことはないのです。「熱が38.5℃以上ある時に必ず飲ませる」ということでありません。機嫌がいいか、元気か、水分は十分にとれるかをよく観察して判断しましょう。解熱剤は一時しのぎだと知った上で使いましょう。体温39℃を目安として、次の使用は6時間以上あけて下さい。

 解熱剤と脳症

昔はこどもにも「良く効く」解熱剤が使われていましたが、今では、アセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ坐剤、アルピニー坐剤等)以外の解熱剤を用いることはありません。大人で広く使われている解熱剤をこどもに使用したとき、インフルエンザや水痘(みずぼうそう)などで急性脳症をおこしやすくすることが判ったからです。アセトアミノフェンは作用が弱く、発熱の初期に効果がなかったり、23時間で効果が切れたりします。

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